聞いて欲しい独り言

こんな人も生きてますよ 離婚、パート・アルバイトの掛け持ち、子どもの独立、そして息子家族との同居、親のこと~

そう言えば夏ってこんなだった!

今週のお題「夏を振り返る」

十数年来、夏でも冬でも、仕事行って家事やって飲んで寝るという繰り返しだった

夏に長期休暇を取って旅行したり、高校野球甲子園大会を楽しんだり、海行ったり山上ったりと、らしいことをしている人たちがいるのは知っていたけど、私はずっと働いていた

別に売れっ子アイドルなわけじゃなく、ひっくい時給でやっすいパート代を稼ぎ、ついでに自宅の電気代を浮かせようと、決して面白くはない仕事をやっていた いや、今もやっている

 

去年までと違うのは、休みの日の方が多くなったこと

今年、孫たちと同居することになって、仕事を減らし減らされ、彼らの相手をする時間が生活の多くを占めるようになったのだ

保育園の送迎やおむつ交換、真夏の公園、夕暮れ時の手持ち花火

20年ほど無縁だった幼子たちとの夏は、自分の子育ての時よりむしろ、自分が子供だった頃のことを彷彿とさせるものだった

 

近所の、周囲を30本くらいの桜の木で囲まれた小さな公園に、4歳と2歳の孫を連れて行った

日陰のない砂場で遊び始める彼らを、木陰に誘導しつつ何気なく地面を見ると、直径15ミリほどの穴がそこら中に開いているではないか

これはあれだ、ほら!

 

子どものころ、近所のお寺に朝早く行くと、低い場所でもよく見られたセミの幼虫の、7年越しとかに這い出してきた跡ってやつ~

よく、虫かごがいっぱいになるまでセミを追っかけまわしたものだ 木の上ばかり見上げて首が痛くなったとき、父に、早朝の羽化間もないセミを狙えと教えられたのではなかったか

 

辺りを見回せば確かに、ツツジの植え込みや桜の木の太い幹のそこかしこに、セミの抜け殻がひっかかっている

背中が割れて、カラカラに乾いたセミの抜け殻を、孫たちは恐る恐る指でつつき、掌に載せた

3つ4つと摘み上げるうちに力加減がなおざりになる 潰す

結局、じりじり焼ける砂場で、プリンカップのご飯にふりかけとなったセミの抜け殻が、夏ってこんな風だったんだと、私に思い出させてくれた セミの声は毎年聞いていたはずだけど

 

今週のお題は「夏を振り返る」だが、私が振り返ったのは今年の夏ではなく、まだ世の中のことなど何も知らなかった半世紀も前の夏だ

誰かの言うように、幸か不幸かの人生の帳尻は合うものだとすれば、これからは、ちゃんと季節を感じられる日々を送ってゆけるかもしれない

孫たちのおかげで

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セミの抜け殻